在宅オタクの外出記録

某オタクが書き散らす日誌です。イベントについて書いたりふと思ったこと書いたりします。

Vtuberの声優起用は必要だったのか〜電音部のVtuber起用から思うこと〜

7月後半から2週間に1回論文の締め切りに追われています.文章を書くことに疲れてきましたがブログは別腹.なお,今回のブログから句読点がカンマとコンマになってます.許して.(論文を書く癖で普段のPCの設定からカンマコンマにしている.)

 

前回のブログの反応

前回のブログに対する反応の一部を,RTしてくれた人の最初のツイートから抜粋していきます.なお,ユーザ名等は隠させていただきます.読みたくない人は目次に戻って飛ばして結構です.

sits1116.hatenablog.com

ぶいちゆーばーに限らず推しに金をやればいいんだーという考え方は自分自身にも推しにもよろしくないので、金の投げどころさんはいいと思ったモノ・コトだけにしようねって感じだ

お金は有限なのです.貢ぐときにも取捨選択やコスパも大事. 

Vがニコ生主化してなんたら〜〜みたいな批判に対して理屈は分かるけどいまいちピンとこないの、今気づいたけど俺がニコニコ全盛期の時にインターネットを禁じられニコ生主をまともに見た事がないからだろうな

後輩の感想なんだけど,若い子にとってはニコニコが衰退してきたときにオタクになった可能性が高いのでしょうか.私,気になります!

 ちなみに同意できなかったのはスキルが下がるところ。声/コメント捌き/ゲームのうまさみたいな従来のものさしは今後その人らしさみたいなところに遷移していくのかなと思う。ただ、失敗の撮れ高のくだりはその通りだと思うので人類に希望はない

反論的な意見を抜粋.これに関してはなるほどなって思った.適度に苦手分野がある方がキャラが立ち,売れるためには必要なのかもしれない.ただ,声に関してはボソボソ喋る人間に未来はないと思っています.

言ってることは完全に同意できるけど、まあ結局オタクってそういうもんだよね

 それはそう.オタクは貢ぐ事でしか推しに貢献できない.ただ,そのレベルが下がっているという話.一般人からしたらアイドルオタクの握手会や腐女子の特定のキャラグッズを買うために何万も使うことすら馬鹿にされてきた.でもアイドルオタクや腐女子がお互いを貶すようなことはなかった.でもVtuberの高額スパチャに関してはオタクからすらも馬鹿にされる低次元の貢ぎになってしまったわけだ.あーあ.

 

以上,前回ブログへの感想まとめでした〜

はじめに

電音部というコンテンツにVtuberが起用された.Vtuberが起用されたアニメとしては賢者の孫が挙げられるが,あまりにもひどい演技でボロクソに言われてしまった.これをみてなおVtuberを声優起用するのか(呆れ).バーチャルさんは見ているとかいうアニメを名乗るのも烏滸がましい作品もあるぐらいだしな.

 ここらでVtuberの声優起用についてしっかりと自分なりの意見を書いておこうと思って前回のブログでアンケートをとったら,思ったより書いて欲しいという意見があったのでここらで書いてみようとする.

ここから,この記事に触れる上で必要なことを書いていきます.

Wikipediaより,アニメやスマホアプリ等の作品に姿を見せず声だけで出演する俳優のことを"声優"と呼ぶ*1.この記事では,こういう仕事を請け負っている事務所に所属し,実際に作品に声をつけている人間のことを"声優"と呼ぶことにする.
また,Vtuberのキャラに対し,モーションや声をあてている人間のことを"中の人"と呼ぶことにする(前世や魂と似た意味の言葉はありますが,この記事ではすべて"中の人"で統一).

筆者自身はVtuberの世界に詳しくないのですが,どうやらこの世界では中の人のことを詳しく詮索するのはNGらしい.この記事を書くにあたり,Vtuberの中の人の情報を調べたのだが,「9割方中の人はこの人だが,確定はしない」という書き方が多い.この記事は複数のサイトで「中の人はこの人だ」っていう情報に基づいてブログを書く.

電音部と起用されたVtuberの概要

まず事の発端である電音部とそれに起用されたVtuberについて述べていく.

電音部

電音部とは,バンナムが原作の新規クリエイターが贈るダンスミュージックプロジェクトである*2.そのなかで,秋葉原系・原宿系・麻布系・渋谷系の4つのユニットがいることがわかっているが,そのうち現在キャラが公開されているのは秋葉原系のみである.秋葉原系にはアイドル事務所ディアステージよりアイドル3人,原宿系には声優事務所クロコダイルから新人声優3人,麻布系には秋奈,小宮有紗澁谷梓希とコンテンツやDJなどで有名な声優3人,渋谷系にはにじさんじ所属のVtuberである健屋花那,シスター・クレア,星川サラの3人が起用されている.

起用されているVtuber

ここでは起用されているVtuberについて,にじさんじ非公式Wiki*3を参考に説明していく.なお,中の人情報については上記は参考にしていない.

健屋花那

健屋花那【にじさんじ】KanaSukoya - YouTube

ギャルっぽい看護師の見た目をした病院で働く女の子の設定を持つ.チャンネル登録者数は21.1万人(2020/8/8).どうやらお芝居作品をたまに出しているらしいが,再生リストにまとめるほどあるわけではなさそう.歌枠はある.中の人も看護学校を出て医療職についているらしい.

シスター・クレア

シスター・クレア -SisterClaire- - YouTube

清楚系シスターの見た目をした教会で働く修道女の設定を持つ.チャンネル登録者数は25万人(2020/8/8).歌枠はある.中の人は同人サークル所属の声優&生主らしい.ちなみに21歳(2020/8/8).

星川サラ

星川サラ / Sara Hoshikawa - YouTube

処女膜がなさそうビッチっぽい見た目をしたハーフの女の子の設定を持つ.チャンネル登録者数は25.6万人(2020/8/8).歌枠はある.中の人は彼氏持ちの生主らしい.また,2019年入学の大学生らしい.

 

ここまでの情報をまとめると

  • バンナムが原作の電音部でVtuberが声優として起用された
  • やる役について,キャラ名は決まっているがビジュアルと設定は一切不明
  • 起用されたVtuberのうち,同人声優として活動したことあるのは1名,職業声優としては0名

ということになる.

筆者の考える声優とVtuber

声優って?

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筆者の考える声優

筆者の考える声優像をパワポで作ってみた.まず,声優も人間なので経歴や性格,日常の生活などが存在する.また,彼女たちが演じるキャラも作品に登場するキャラとして固有の設定を持つ.しかし,複数のキャラを演じる場合には,そのキャラ間には関係性がない(関連作品の場合は別).そしてなにより,キャラに声優のアイデンティティを持ち込むことを許されない

そして,声優の引退や高齢化,アクシデントなど必要な理由があれば,声優を変更することが認められている.引退例としてはナナシスの上杉・ウエバス・キョーコ役だった吉井彩実,アクシデント例としてはリステの伊津村陽花役だった花守ゆみりが膝の怪我を理由として声優を交代している.

Vtuberって?

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筆者の考えるVtuber

次に筆者の考えるVtuber像をパワポで作った.中の人も人間なので経歴や性格,日常の生活などが存在する.彼女たちが"声をつける"キャラのも設定があるのだが,その設定は周りとの関係性を持たず,中の人のアイデンティティを活かした設定をされることが多い.そしてなにより,Vtuberは中の人と1:1関係になくてはならない

Vtuberと中の人が1:1関係でなくてはならないと感じた理由としてはゲーム部騒動が大きい.ゲーム部騒動では中の人の過労により中の人が交換となった際にはCharacter Youtuberなる造語,"Ctuber"が流行した.これはVtuberをみている人が中の人の変更自体を受け入れられないことを示しているからこそできた造語だ.ちなみに,たまにあるVtuberの"魂"と"ガワ"みたいな議論で言うと,"魂"は同じだが"ガワ"は別ということになる.(悪魔とかネクロマンサーとかファイアードレイクとか現実にいるわけねーだろ目を覚ませ)

ここで"演じる"ではなく"声をつける"としたのは,"演じる"の意味あいによるものである.演じるとは「ある役を務める」ことである.次に,"役"とは「俳優が扮する人物など」のことを指す.最後に,"扮する"とは「他の人に似せて装う」ことである.つまり,"AがBを演じる"ということはAとBは他人でなくてはならない.しかし,Vtuberと中の人は1:1関係,すなわち他人ではないのである.よって中の人は"演じる"ということには完全な素人である.

Vtuberを起用するメリットがない

声優とVtuberの特性を述べたので,筆者が電音部のキャラにVtuberを声優として起用することに反対かを説明しよう.まず声優業界は人手不足ではない.今の声優業界は戦国時代どころか大乱闘スマッシュブラザーズに匹敵するぐらいに声優が溢れかえっている.なんならバンドリの夏芽やAyasaのように本業ミュージシャンで演技なんてからっきしできないが声優を名乗っているぐらいの女がいるぐらいだ(筆者はあれを声優として認めたくないのだが).よって,声優として起用されるには何らかの理由づけがあるわけだが,それをVtuberにわざわざ与える意味がないことを説明していこう.

キャラにVtuberを押しつける理由がない

ここからのオーディションの様子はSHIROBAKOを参考にあくまで想像で書いているものとする.

キャラに対して声優が多すぎる現在,声優はオーディションを受けてそのキャラを勝ち取る必要がある.キャラを勝ち取るには,実際にキャラのセリフを喋って声質や演技がそのキャラに適しているかを実際の監督等がチェックするわけだが,今回の電音部に関してはキャラの設定などは一切公開されていない.つまり,オーディションなんてないようなものである.なんなら,ここから演者に合わせてキャラの設定等を変更することもできる.

また,電音部はこけても誰の経歴にも傷がつかないような作品だ.例えばこれが宮崎駿新海誠など超一流監督の作品で,失敗すれば明らかに経歴や評判に傷がつくような場合にVtuberが起用されたとして,監督や音響監督などが「このVtuberは作品のキャラを演じる上で正確に適している」と責任を持って言えば,それは作品公開前段階ならばなんも問題がないわけだ(作品公開後に演技が下手で叩かれる可能性はあるが).しかし,電音部は別に失敗しようがそこまで痛くはないバンナムの1プロジェクトに過ぎないし作品の方向性すら謎のジャンルだ.Vtuberをわざわざ起用する理由が1つもない.

ではそもそも担当のVtuberにそう言った技量があるのだろうか?気になって午前しか眠れなくなった筆者は,各Vtuberが歌っている動画を見に行ってしまった.結果として歌詞は飛ばすわ音は外すわでそこまでうまいとは言えない.また演技をしている動画がほぼないのだが,1人はそこそこ期待できそうって感じだろうか.ただ,別に演技が好きというわけでもなく,演技の切り抜きも見当たらないVtuberに期待はできそうにないと考えてしまう.そしてなにより,声優としてキャリアを積んだわけでもなく,声優としての職業訓練を積んだかも怪しい"どうしようもなく今を生きてきた"配信者に作品の一部を任せていいのだろうか?僕は嫌だ!

将来性が怪しい〜Vtuberファンはキャラの違いを受け入れられるか〜

ここでいう将来性とは,声優などが他己紹介をされる際に「代表作として〇〇の△△など」と書かれるために,脇役などを経験させることをいう.有名声優になればバラエティに出るときにジャンプや深夜以外の時間帯にやる作品のキャラが挙げられるわけだ.また,作品によっては起用後に想定外のヒットをすることでその声優の代表作になってしまうこともあるわけだ.例としては鬼滅の刃における鬼頭明里があるだろう.つまり,声優としての箔を付けるために,多くのそこそこのキャラを演じさせて代表作を得ていく必要がある.よって,声優事務所は今後売り出したい声優に脇役が割り振られるように接待などをしてキャラを勝ち取ることもあるわけだ.そして,現在のコンテンツ主流時代にはそういったコンテンツに自社の駆け出し声優を多く担当させて人気を図り,人気になった人を次の売り出したい枠へと昇華させていくのであろう.

しかし,ここで疑問点が生じる.Vtuberのファンは次々と別のキャラを演じるVtuberを受け入れられるのだろうか?前にも書いたが"演じる"ということは,演じる声優や中の人のアイデンティティは不要ということになる.Vtuberが演じるということは"ガワ"の設定は一切求めていない,すなわち,その"ガワ"は死んだも当然なのだ.もちろん最初は"ガワ"に近いキャラが割り振られるのだろうが,声優として活動するならば他の"ガワ"とは無縁なキャラを担当しなくてはいけなくなる.ニコ生主などは応援せず"ガワ"をきたVtuberは応援してきたファンにそれが受け入れられるのかという疑問が生じずにはいられないのである.それが受け入れられないならば既存のファンを持つと言うメリットがあるからこそ起用されたVtuberにメリットがないことになってしまう.

イベント出演に適していない

ここまでの意見だけなら「アイドルも声優じゃない」「バンドリ声優(笑)はどうなんだ」という意見が出るのもわかる.だが,ここにはVtuberが声優をやるのに適さない最大の理由がある.

今の声優業界の最大の稼ぎ頭はやはりイベントだろう.コンテンツものならライブをするわけだし,普通の作品でもトークショーやお絵かき・ゲームコーナーなどが行われる.このイベントこそ声優が一番アイデンティティを発揮できる場であるというわけだ.そこにVtuberが混じるとどうなるか.イベントが崩壊する.

そのわけは簡単,イベントはリアルタイムで進行していくからだ.お客さんの反応やリクエストに答えながら進行していくイベントにおいて声優やアイドルといった三次元とVtuberという二次元という次元の壁は大きすぎる障害になる.

まず,Vtuber同士のイベントでは当然Vtuber同士が交流をするなかで客を楽しませる.具体的に何をやっているかは知らないが,youtubeに上がっているものを見る限り,本人たちを写すにはスクリーン等が必要になる,三次元の物体には干渉できない等の特性を持つ.

でも現在の声優イベントではスクリーンは基本0or1個で,そのスクリーンはお題を写すのに使ったり手もとや表情を写すのに使われる.また,スクリーンが複数あるような会場はそもそも広過ぎて別のスクリーンを見ることは難しいことから同じ映像を複数のスクリーンに写す場合が多い.つまり,Vtuber1人ごときに割くスクリーンは存在しない.

また,お絵かきやゲームも三次元に干渉できないのでできない.もしやるならば,Vtuberではない別の人が代理でやることになるが,そこにモーションキャプチャを中の人がでてきたらVtuberのファンは満足するのか?あんだけ前世は関係ない・前世は探るなって言っておいて?場合によっては全く無縁の人間が出てきてVtuberがただ見守るという方法で実現するというケースも考えられるが,これは言い方は失礼だが障害者みたいなもんじゃないか?怪我とかの理由でできませんならまだしも,五体満足のVtuberがそんな扱いを受けるのを見ていられるのだろうか?

そもそもモーションキャプチャを使ってリアルタイムでイベントができるならば,金のある秋元グループで22/7が既にやっているはずだが,リアルイベントは中の人そのままだし,モーションキャプチャを使うケースも計算中のような放送番組に限られる.つまり,Vtuberと声優や観客というリアルの人間がリアルタイムで次元を超えてイベントを行うのは現時点では無理なのだ.だったらできるようになってから声優業界に入ってこい.

おわり

というわけでVtuberが声優として起用されることに反対する理由を述べました.長すぎるだろこれ.ただこれ,あくまでVtuberがイベントを開くことに反対しているわけではないので注意ね.

こうした理由があるのにもかかわらず,アニメエンタメ業界トップのバンナムがおそらく人気面だけでVtuberを声優起用するっていう落ちぶれが悲しいよ.僕は.てか登録者数だけならもっと上のVtuberいただろ.やることが中途半端じゃボケ.

とはいえ,実はめちゃくちゃいい作品につながるケースもあるので,筆者の意見が前例がないことによる反対意見の例みたいな作品になってくれたらそれはそれで嬉しいな(アイ◯スみたいに信者の声がでかい作品にはなって欲しくないけど).

ここまで約7000字,読んでくれてありがとうございました!!!!

 

次のブログは,書きたかった野球のことを書いてから楽曲カバーについて触れたいと思います.他になんか書いて欲しいことあったらGoogleフォームで答えてくれると嬉しいです.